やっとタイムリーが出た。オリックスが後半戦初の2桁得点で快勝した。3回2死三塁で、糸井嘉男外野手(34)が左前に先制打。これが15日ロッテ戦の2回以来、実にチーム54イニングぶりの適時打だった。「何とかタイムリーになってくれて良かった」。先発の西を援護し、日本ハム斎藤を5失点KOに追い込む足がかりを作った。

 1、5回も流し打ちでの安打。技ありの固め打ちに「良かった。ヒットはヒットやから、ええんとちゃいますか」。首位打者の昨季15度もあった猛打賞が、今季はやっと4度目。開幕から不振が続くが、久しぶりに快音が重なった。

 痛みと闘う毎日だ。7月に右肘と右足首痛で離脱。首脳陣に1軍昇格を訴え、予定を1週間ほど前倒しして同20日に復帰した。その後は指名打者での出場が続いており、今も足は「バリ痛い」。それでも3、7回と今季初の2盗塁を決め、8年連続2桁に乗せた。

 本社から1500人の応援に勝利で応え、連敗を2で食い止めた。5位楽天とは1差。今日23日にも最下位脱出が見えてきた。「まあ、出てる限りはね。頑張るわ」。目標のCS圏浮上は厳しい状況だが、手負いの主将は懸命のプレーを続けていく。【大池和幸】