明日からの戦いに目を向けよう。広島が敗れ、相性が悪いDeNAに今カードも負け越した。緒方孝市監督(46)も険しい表情で球場を後にした。今季2試合目の先発だった戸田が3回途中でKOされると、攻撃陣は好機をつくりながらもあと1本が出なかった。だが首位阪神とは変わらず4・5ゲーム差。明日9月1日からの直接対決に向けて気持ちを切り替える。

 石原の3安打も今村、ヒースの好救援も、そのタクトで救うことは出来なかった。緒方監督は悔しさを押し殺すように早歩きで帰りのバスへと向かった。先発戸田が3回途中5失点で降板も、何とか持ち直して1点差までつめた。だが6回、7回には満塁の好機をつくりながら、得点することは出来なかった。

 緒方監督 今日のような試合では追いつくだけではなくて、追い越すところまでいかないといけないと考えた。うちのリリーフの状況もあるからね。

 6回は1死一、三塁から切り札の代打小窪で勝負したが、三飛に倒れた。さらに丸が歩き2死満塁も最後は菊池が空振り三振。7回には再び1死一、三塁とするも6番田中が浅い左飛で犠飛にはならず。梵が歩いて2死満塁までいったが、最後はそれまで3安打2打点と当たっていた石原が空振り三振に倒れた。疲れた中継ぎ陣を見ると「まず同点」はない。一気に勝ち越す必要があった。覚悟を決めて攻めのタクトを振ったが、勝利の女神は残酷だった。

 攻撃がもたついている間に、3連投だった一岡が7回に2被弾して勝負が決まった。これでカード負け越しで借金は4。だが落ち込んでいる場合ではない。今日31日の休日を挟んで、明日9月1日からは首位阪神との甲子園3連戦、さらに4日からはヤクルトとの神宮3連戦が控える。指揮官も最後は力を込めた。

 緒方監督 来週は上位との6連戦。それが勝負になる。

 先発5番手が定まらないなど不安材料はある。だが常に目の前の一戦に全力を注いできたチームだ。反省し、大胆に切り替えて次戦を見つめる。阪神戦初戦はエース前田の登板が濃厚だ。流れをもう1度持ってくる。【池本泰尚】