青森の社会人野球クラブチーム、弘前アレッズが全日本クラブ野球選手権(4~7日、西武ドーム)に2年ぶり2度目の出場をする。8月上旬の東北2次予選で初優勝、発足4年目で初めて東北第1代表として臨む。今季から指揮を執る元日本ハム投手で弘前市職員の今関勝監督(44)のもと、力をつけた新鋭チームが全国大会初白星及び旋風を目指す。

 野球を通して地元の活性化を目指す市民球団・弘前アレッズが1段上のステージに踏み出す。6月の県1次予選で2年ぶり2度目の優勝。8月9日の東北2次予選決勝で宮城第1代表のTFUクラブを9-4で破り、初優勝した。2月に就任した今関監督が初のシーズンで東北Vに導いた。

 主将の一戸祐太郎内野手(24=弘前学院聖愛-日本文理大)は「今関監督の指導で得点力がアップした。走塁に力を入れ、ヒットでなくても点を取れる」という。また守備では「小さなことでも声を掛け合って確認し、1球に対する集中力が増した。1つのことに全員が納得して向かえるようになった」という。

 主力は20代前半と若いチーム。今関監督は「経験値が課題だが、それを超す勢いがある。東北予選は集中して戦い、個々の役割を全うして結果がついてきた」と振り返り、「練習への取り組みなど自覚と自立性がついてきた。いい方向に動きだした」と手応えを強調した。

 2年前の全日本クラブ選手権は初戦敗退。今回の初戦の相手は前回優勝の茨城ゴールデンゴールズだ。昨年6月のJABA一関市長旗争奪大会初戦で対戦、1-6で敗れた。一戸主将は「前回初戦敗退と茨城、2つの意味でリベンジしたい」と闘志をみせる。今関監督は「一戦必勝。今、強豪の茨城と戦えるのはチャンス」という。

 今関監督は社会人選手時代、全日本クラブ選手権に3度出場しベスト4の実績もある。地域の球団として奉仕活動などにも力を入れる弘前アレッズが、その名を高めるチャンス到来だ。【北村宏平】

 ◆全日本クラブ野球選手権 クラブチームの日本一を決める大会で、今年で第40回を迎える。地区予選を勝ち抜いた16チームが出場。トーナメント方式で優勝を争う。東北からは弘前アレッズのほか、TFUクラブ(宮城=3年ぶり5度目)、水沢駒形野球倶楽部(岩手=8年連続22度目)、富士通アイソテックベースボールクラブ(福島=初出場)の4チームが出場する。優勝チームには日本選手権(10月26日~、京セラドーム大阪)出場権が与えられる。