通算3019試合出場のプロ野球記録を更新中の中日谷繁元信兼任監督(44)が、今季限りで現役を引退することを正式発表した。試合後、ナゴヤドーム内でユニホーム姿で会見を開いた。すっきりした表情で27年間を振り返った。

 「皆さんの前では『大丈夫』と言ってきたが、正直、体はボロボロです。気持ちでカバーできる状態ではない。それが一番」と明かした。自主トレ段階から今季限りと考えており、最終的に決断したのは今月に入ってからだという。

 「一言で27年間を伝えるのは難しいが、本当によくここまでできたと思う。入団したときに27年もやってる自分は想像できなかった。今よぎるのは入団会見。両親の喜んでいる顔が浮かびます」。来年からは監督専任になる運びで「これから自分が学んだことを生かさないといけない。チームがこういう状況なので何とか戦えるチームにしたい。その思いだけです」と来季に向けた意欲も語った。

 ドラフト1位で大洋に入団。強打に強肩、キャッチングを武器に高卒1年目から80試合に出場。98年には横浜を38年ぶりの日本一に導いた。02年に中日にFA移籍してからも不動の正捕手として4度の優勝に大きく貢献。03年には通算2000安打を達成。今年5月には27年連続本塁打の日本記録を記録し、7月には野村克也を抜くプロ野球記録の3018試合出場を達成した。ゴールデングラブ賞6度、球宴出場12度、06年WBC日本代表などの輝かしいキャリアを終え、来季は監督に専任する。

 24日のナゴヤドームの今季最終戦に出場予定だが、場内に向けたあいさつなどは行わない。また、26日の古巣DeNA戦(横浜スタジアム)が現役最後の出場になる予定だ。会見の冒頭で「セレモニーがないと思うので、この場を借りてファンの方々にお礼を言わせていただきたい。27年間ずっと応援してくださった方も、もしかしているかもしれない。短い間の人もいると思うけど、谷繁を応援してくれて本当にありがとうございました」と深々と頭を下げた。