中日大野雄大投手(26)の最多勝への道が途絶えた。勝負球がことごとく甘くなり、DeNA打線につかまった。残り登板は1試合。2勝差の広島ジョンソンらには追いつけない。

 3回は1死二塁から荒波、山崎憲に打たれて先制点を許した。さらに相性の悪い筒香にも2ランを浴びて4失点。5回にも3失点と止められず、この回で降板した。試合中に名古屋への帰宅を命じられた。球団広報を通じたコメントでは「何もありません…」とショックを隠せなかった。

 8月27日に11勝目を挙げてから4度足踏みし、これで10敗目。好投しても援護に恵まれないことが多かったが、今回は完全に自らの責任だった。実は前日21日の巨人戦か、この日のDeNA戦か、大野に選択権が与えられていた。前日投げていればもう1試合登板することも可能だったが、登板回数を削ってまでDeNA戦を選んだ。横浜スタジアムでは過去6戦5勝無敗の相性だった。だが試合を壊してしまった。

 友利投手コーチは声を絞り出した。「絶対やってはいけない投球をした。同じ人に同じように打たれている」と責めた。谷繁兼任監督は「勝負どころの球の考え方をバッテリーがどう思っていたのか。指導していかないと」と捕手杉山も含めた“未熟さ”を指摘した。

 大野は前半戦、3完封するなど9勝でチームを引っ張った。貢献度は間違いなく投手陣トップだが、最後に息切れした形になった。【柏原誠】