九共大が意地の逆転勝利で優勝争いは最終週に持ち越しとなった。7回まで1安打に抑えられていたが、8回に一気に逆転。先発の屋宜駿杜(やぎ・しゅんと)投手(3年=前原)が1発のみの1失点完投勝利の活躍だった。10月3日からの最終週で優勝を争う。

 まさに九共大の意地だった。負ければ九産大が優勝。自分たちのグラウンドで胴上げだけは見たくなかった。マウンドでも打席でも、チーム全体が「意地」を見せて逆転勝ちした。

 0-1で迎えた8回。それまでわずか1安打の打線が一気に逆襲に転じた。2死一塁から左翼へのエンタイトル二塁打を放った主将の村井昇汰内野手(4年=北大津)は「自分たち4年がなんとかしないとと思った」と二、三塁のチャンスを演出。続く宮城竜弥捕手(4年=西原)が二塁への内野安打を放つと、一気に2者が生還して逆転。「4年生でつないだ。気持ちでいった」とチームの思いを代弁した。

 マウンドの屋宜も意地の投球だった。九産大・高良一輝投手(3年=興南)が前日26日に完封勝利。同じ沖縄出身の3年生として「負けたくない気持ちはあった」とマウンドを守った。7回に1発こそ浴びたが、散発6安打1失点完投勝利。「途中からチェンジアップが有効に決まった」と、逆転した直後の9回は、3者連続三振で締めくくってみせた。

 上原忠監督(48)も選手の踏ん張りを喜んだ。「4年生がつないでくれたし、屋宜もよく投げてくれた」。10月3日からの最終週での逆転優勝へ。粘りの九共大が最後の最後まで真骨頂を見せる。【浦田由紀夫】