九国大が久留米大に2連勝し3年ぶりの秋季リーグ優勝を決めた。4位に沈んだ今春からの打力向上が実り、優勝がかかる大一番に場外本塁打も飛び出す12安打8点の猛攻で制した。2位は福岡大。3位は西南大と北九大の決定戦で決まる。

 九国大が12年秋以来の悲願を成し遂げた。それでも九州大学野球選手権を経て獲得する明治神宮切符を見据えるため、派手な歓喜や胴上げを封印。6季ぶりVにも浮かれず、完封勝利した主将の丸田隆成投手(3年=南宇和)は「目標はここじゃなく神宮。(準決勝から登場の)九州大会で2つ勝って胴上げしたい」と、チームの思いを代弁した。

 優勝の要因は、久留米大を2戦連続完封した強力投手陣に加え、打力の向上にある。打撃投手がマウンドの3メートル前から投げる速球や変化球を打つフリー打撃などが奏功。深夜2、3時まで自主的に行う室内練習場の打ち込みで力をつけた。伊藤健治監督(64)は「打線は試合を重ねるごとにしぶとさが出た」と評価。猛練習で4位に沈んだ春季リーグからはい上がった。

 優勝を決めたこの日も打線は序盤から活発だった。2回、4番・渋谷ロバート外野手(4年=高水)の左越え場外弾で勢いづく。さらに3回2死満塁で伊藤監督から3日間のマンツーマン指導を受けた6番DH・白石剛己内野手(2年=飯塚)が走者一掃の左前二塁打で結果を出すなど、12安打8点で圧倒した。

 目指す明治神宮大会へ、丸田主将は「(九州大学野球選手権は)力が上のチームが来ると思うが、九州6大学の代表として恥じないよう食らいつきたい」と意気込んだ。【菊川光一】