今季限りで現役引退する中日山本昌投手(50)が涙でマウンドに別れを告げた。

 今季最終戦で先発登板し、1人限定で投球した。

 CS進出へ勝利しかない広島との「ガチ勝負」。先頭打者の丸に対し、独特のフォームで投じた初球115キロスライダーはワンバウンドのボール。2球目の115キロスライダーもボール。3球目117キロの高めスライダーを引っかけさせて二ゴロに打ちとった。

 一塁手の森野からボールを受け取り握手、帽子を取ってスタンドの声援に応えた。歩み寄った谷繁兼任監督と握手をかわし、交代を告げられると感極まって大粒の涙。マウンドで広島新井から花束を受け取ると再び涙がこぼれ落ちた。ベンチ前では美智子夫人(34)からも花束を受け取った。

 今季は50歳まであと2日だった8月9日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)で左手人さし指を負傷。懸命に練習を続けてきたが、32年間のプロ生活にピリオドを打つことを決意。

 50歳1カ月26日で先発。通算219勝左腕が現役最後の登板で前人未到の「50歳登板」を達成した。

 山本昌は「最後にこのような舞台を用意していただき、また、カープも大事な試合にかかわらず映像を用意していただきありがとうございます。最後は自分も真剣勝負できましたし、丸選手も真剣勝負してくれたのでうれしかったです。本当に両球団に感謝です。ありがとうございました」とコメントした。