日本ハムが13日、ドラフト会議(22日、都内)で目玉の県岐阜商・高橋純平投手(3年)を1位指名することを決めた。この日、栗山監督を交えて札幌市内の球団事務所でスカウト会議を行い、方向性を固めた。最速152キロの本格派右腕で、今回の目玉の1人。大谷ら将来性ある若手がそろう投手陣の基盤を強固にするため、スケール感あふれる逸材に狙いを定めた。

 近年のドラフトで台風の目になってきた日本ハムが、早くも最上位候補を一本化した。CSファーストステージ敗退から一夜明けたこの日、来季以降のペナント奪回の夢を託す標的を決めた。栗山監督も同席して約2時間、スカウト会議を開催。球団幹部は「1位は高校生投手の2人に絞った」と話したが、方向性を出した。今回の注目株の1人の高橋を1位指名する方針で固まったようだ。

 動向を追ってきた。今春センバツで150キロをマークして脚光を浴びたが、それ以前から高い潜在能力に着目。県岐阜商OB熊崎スカウトも在籍しており、積極的に調査を継続してきた。7月に左太もも裏肉離れを発症し、今夏は甲子園出場を逃したが評価は不変。日本代表に選出され、4イニングに登板した8月のU18(18歳以下)W杯も複数スカウトで視察し、判断材料にした。

 次代の最強投手陣を構築するキーマンとして、白羽の矢を立てた。183センチの長身で、最速152キロ。キレのあるスライダーなど変化球も持ち合わせる。高校生で、プロ入り後に期待できる伸びしろも含め、総合的に今ドラフトNO・1の逸材。21歳でエースの大谷をはじめ、ルーキー有原ら潜在能力あふれる大型右腕は既に多数。さらに強化するためには高橋が、最適と結論を出したようだ。

 サプライズな戦略でドラフトを騒がせているが、今年も超目玉へと絞った。左腕が手薄なチーム事情から、高校生では甲子園優勝左腕の東海大相模・小笠原慎之介投手(3年)の選択肢もあったが、最終的に高橋へと傾いたようだ。栗山監督の「日本一になるためには投手。スケールの大きな投手が、もう1人」とのリクエストにも、合致した。阪神など複数球団の関心が高く、競合必至のリスクもあるが、初志貫徹で高橋を射止めにいく。

 ◆高橋純平(たかはし・じゅんぺい)1997年(平9)5月8日、岐阜市生まれ。小学2年から梅林スポーツ少年団で野球を始め、梅林中時代は揖斐本巣パワーボーイズに所属。県岐阜商で1年春からベンチ入り。今春センバツ1回戦の松商学園戦で150キロを2度マーク。今夏は左太もも肉離れの影響もあり甲子園出場を逃したが、U18W杯代表に選ばれた。直球の最速は152キロ。183センチ、76キロ。右投げ右打ち。

<03年以降の日本ハムドラフト1位指名>

 ◆複数競合で○ 07年高校生の中田翔、10年斎藤佑樹、14年有原航平は4球団が競合し、抽選で交渉権を獲得。04年高校生の陽仲寿(陽岱鋼)、11年菅野智之(入団せず)は2球団競合の末、交渉権を獲得した。

 ◆複数競合で× 06年高校生の田中将大(4球団)、07年大学・社会人の大場翔太(6球団)、09年菊池雄星(6球団)、13年松井裕樹(5球団)は抽選で外れ。07年大学・社会人は大場、服部泰卓(3球団)で外れ。13年は松井の後、柿田裕太(3球団)、岩貞祐太(2球団)でも競合。

 ◆単独指名 甲子園でノーヒットノーランを達成するなど超高校右腕と評判だった04年ダルビッシュ有を1巡目で単独指名した。高校時代に160キロを出し注目された12年大谷翔平は、本人がメジャー志望を表明していたが、ドラフト前に1位指名を公表し、唯一指名に踏み切った。