阪神の第33代監督を務める金本知憲氏(47)が19日午後、大阪市内のホテルで就任記者会見に臨んだ。グレーのスーツ姿で壇上に上がると坂井オーナー、南球団社長、四藤球団専務に囲まれ第一声で「え~、不安と希望がかなり入り交じっています。しかし、今は希望というか、やってやろうという強い気持ちがあります」とあいさつ。報道陣のカメラから無数のフラッシュが浴びせられた。

 会見では坂井オーナーから「金本イズムを指導者として当球団に注力していただきたい。現役時代に培った経験と、外部からタイガースを見た視点を合わせて、監督として活躍していただきたい」と期待を寄せられた。金本新監督は「悩んだんですけれど、球団はじめフロントの方々から『1回壊してでも立て直したい』という熱意を受けた。その熱意を意気に感じました」と決断理由を明かした。期待する選手には「タイガースの伝統として、大砲がなかなか出てこない。まずはそういうところから見てしまう。今で言うなら、江越、横田、陽川ですか。そういう振れる選手に期待したい」と個人名を挙げてエールを送った。22日のドラフト会議に参加することも表明し、抽せんとなった場合のくじも「引かないといけないかな」とぶちまけた。

 金本新監督は退任が決まっていた和田監督の後任として、今月1日に南球団社長から次期監督を要請された。当初は難色を示していたものの、17日間、3度の交渉で球団側の熱意あるラブコールを受け止めた。17日に受諾を決断していた。

 広島県生まれの金本新監督は広陵、東北福祉大を経て91年ドラフト4位で広島に入団。00年にはトリプルスリー(3割1分5厘、30本塁打、30盗塁)を達成した。02年オフに阪神にFA移籍すると、03年には主に3番打者としてリーグ優勝に貢献。04年から4番に定着し、113打点でタイトルを獲得した。翌05年は125打点を挙げMVP。06年には904試合連続フルイニング出場の世界記録を樹立し、最終的に1492試合に伸ばした。連続1766試合出場は歴代2位。引退後は野球解説者として活躍していた。「鉄人」や「アニキ」の愛称で親しまれている。