中日又吉克樹投手(24)がシュートの本格テストを行った。10月31日、ナゴヤ球場で行われた四国IL選抜との練習試合に登板。対戦した打者4人のうち2人のバットをへし折った。

 シュートはもともとの持ち球だが今季は封印していた。開幕からセットアッパーを任されたが救援失敗が続き、防御率3・36と不安定。2軍生活も経験した。1球が勝敗を左右する役割で、安易に別の球種を試すことができなかった。

 折った2本のうち1球は左打者の内角140キロの直球で、三ゴロ。そしてもう1球が続く右打者の懐をえぐる136キロのシュートで、これも三ゴロだ。公式戦後初の実戦だったこの日は、課題だった右打者への内角攻めがテーマだった。

 「結果としていい球が何球かあった。確率を上げられるように、また岐阜キャンプで走り込んでいきたい」。相手が格下だけに口ぶりは慎重だが、手応えもつかんだ。2年前まで所属した四国IL(香川)相手に格の違いを見せつけた。

 谷繁監督は「今年は右打者への内角球(の課題)が去年から変わらず、打たれた。内角をどう使うか試していたんじゃないかな」と理解を示した。もちろん来季の構想でも、同じく今季不振を極めた福谷とともに必勝リレーの一角を担ってほしい思いが強い。

 今秋に試投中のシュートやフォークを自在に操れれば、直球とスライダー中心の投球から大きく進化できる。逆襲を誓うサイド右腕の挑戦は続いていく。【柏原誠】