阪神が、元巨人の村田透投手(30=インディアンス3A)を獲得することが決定的となっていることが25日、分かった。

 村田は大体大から07年の大学・社会人ドラフト1巡目で巨人に入団した。だが、1軍登板がないまま、10年に戦力外となり、翌年から米国へ。5年目の今季、6月にメジャー初登板を果たした。勝利こそならなかったものの、3Aでは27試合に登板してインターナショナルリーグ最多勝となる15勝4敗、防御率2・90と安定した成績を残した。

 阪神は今年9月に急逝した中村GMが渡米した際などにも視察しており、以前から村田の動向をチェックしていた。当初は村田の米国志向などを考慮して様子を見ていたが、粘り強い交渉を続けてきた。

 高野球団本部長はこの日、広報を通じて「お話できることはありません」とだけコメントしたが、今後は所属先のインディアンスが村田をリリースすれば、阪神が獲得の運びとなる。最速150キロの右腕が金本阪神優勝の1ピースとなれるか。雑草魂を持った男の活躍に期待が集まる。

 ◆村田透(むらた・とおる)1985年(昭60)5月20日、大阪・熊取町生まれ。大体大浪商2年春に甲子園出場。大体大では3年時に大学選手権MVP。07年大学生・社会人ドラフト1巡目で巨人入団。10年オフに戦力外となった。12球団トライアウトでインディアンスから声がかかり、11年からマイナー契約。今季初のメジャー昇格。183センチ、79キロ。右投げ左打ち。

 ▼巨人のドラフト最上位選手が、その後阪神に入団したケースはまだない。「ドラ1」以外で主なところでは、投手で小林繁(71年6位)が江川とのトレードで入団。山内新一(67年2位)は南海を経て84年から2年間在籍した。野手では笠間雄二(76年6位)が阪急を経て81年に入団し、活躍した。