投球のいろはを教えて、新コーチ! 日本ハム大谷翔平投手(21)が11月30日、吉井理人投手コーチ(50)の就任に胸を躍らせた。課題でもある制球力向上のため、選手としても指導者としても経験豊富な同コーチへ質問攻めすることを示唆。真のエースになるために積極的な姿勢でコミュニケーションを図る。

 大谷の心はワクワクしているようだった。前日29日に就任会見を行った吉井投手コーチへの印象は「ピッチャーとして、コントロールがいいなと思う」。間髪入れずに、言葉を続けた。「今の僕のピッチングには、ない部分なので」。今季は46与四球。昨季からイニング数は5回1/3増の中で11個減らしたが、納得はしていない。投手として進化を遂げる過程でクリアすべき課題の1つとして認識するだけに、自在にボールを操った新たな指導者との対面を心待ちにした。

 まずは、質問攻めを予告した。「すごく勉強になるのではないかと思うし、いろいろと聞けたらいいと思います」。現状のウイークポイントを素直に受け止めるからこそ、向上心が刺激される。「そこ(制球力)を重視するわけではないですけど、徐々に取り組むべきこと」。投手としての総合力を上げるため、しっかりと段階を踏みながらアドバイスを仰ぐつもりだ。

 志も共有していた。同コーチからエースと呼ばれるために掲げられた目標は年間200イニング。「特別、僕だけではなく、先発するピッチャーはみんな目標にする数字」と、公言はしなくとも、目指す意味の大きさを心得ている。現役時代は先発に抑えも務め、日米で活躍した同コーチから「いろいろなヒントが、つかめるのかな」と、コミュニケーションを図りながら貪欲に成長へつなげる。

 この日は、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷でテレビ局の取材を受けた後に外出。「体は動かします」と、トレーニングの時間は確保しながら4年目へ向けたオフを過ごしている。「現状維持で、とは考えていないので」と、妥協を許さない二刀流右腕は、新たな出会いを進化の後押しにする。【木下大輔】