オリックスは7日、かねて検討していた神戸の練習施設の大阪・舞洲地区への移転を発表した。

 この日、大阪市が公募した「舞洲野球場敷地及び舞洲野球場北西用地の一般競争入札」が実施され、オリックスの関連会社で京セラドーム大阪を運営する株式会社大阪シティドームが事業予定者に決定。来年4月1日より50年間、当該土地を借り受けることになった。今後は正式な契約手続きを経て、17年シーズンより舞洲野球場、さらに北西用地に建設するサブ球場、室内練習場、選手寮・クラブハウスを新たな拠点とする。総工費は約30億円。

 現在、神戸市内にある選手寮と室内練習場は築25年が経過。西名弘明球団社長は「室内練習場をもう少し広くしてくれないかと選手からも要望があり、数年前から議論していた。大阪を本拠地とする球団として、球場(京セラドーム大阪)から近いというのが最大のメリットになると考えた」と説明した。

 同年シーズンからウエスタン・リーグの公式戦も舞洲を拠点とする。ただし、1軍が年間15試合行っている神戸での開催は確保するという。同球団社長は「がんばろう神戸で市民に支えていただいた。優勝して思い出の強い場所。2軍施設は移すが、神戸のファンを大切に思う気持ちに何ら変わりはない」と話した。

 神戸市内の現在の寮「青濤(せいとう)館」の406号室は現マーリンズのイチロー外野手がオリックス時代を過ごした部屋。今も当時のままで保存されている。寮の扱いについて球団は「未定」としたが、取り壊しとなれば残念がるファンの声も多く上がりそうだ。