スッキリしたニューフェースで決意を伝えた。ロッテからFAで楽天に入団した今江敏晃内野手(32)が9日、コボスタ宮城隣接の会場で入団会見に臨んだ。球団の方針にならい、トレードマークのあごひげをそり落として登場。背番号は今季と同じ「8」、契約は3年総額6億円(推定)。梨田昌孝監督(62)と握手を交わし、新たなスタートを切った。

 会場の視線が自分のアゴに集中していると気づき、今江は照れ笑いした。「別に悪いことはしていませんよ。楽天はひげが禁止ですから。全部そったのは12~13年ぶり。僕の中ではFAの次くらいに大きな決断でした」。愛用する3枚刃のT字カミソリを握り、自らの行動で覚悟を示した。「身が引き締まる思い。新たな歴史をつくりたい」。額から汗が流れ落ちるたびに、涼しくなったアゴが少しだけヒリヒリと痛んだ。若手主体のチームに、経験と力強さを加える。「移籍1年目ですが、若い選手には積極的に考えを伝えていきたい。期待に応え、チームを引っ張りたい」と誓った。そんな頼もしい姿に、梨田監督は主軸として活躍する姿を思い浮かべる。「3番から5~7番までを自在に託せる。濃い感じで、色白の左打者が多いウチにはいないタイプ。左投手の時は、栗原と一緒に『ゴリとコング(キングコング=栗原の愛称)』のコンビがあってもいいね」。野性味ある2人で相手を圧倒するプランもふくらんだ。

 家族とは離れ、単身で仙台に乗り込む。「人生初の1人暮らし。生涯楽天のつもりで来ましたし、こちらの方々に認めてもらえるよう頑張る」と決意する。監督からは「いつやるか? 今江(今でしょ)」と、予備校講師の林修さん風に活躍を促された。ロッテ入団時につけた背番号25との二択で8番を選択。「1からのスタートという意味で25と迷いましたが、野球選手にとって背番号は名札。今江といえば8。自分なりの決意です」。準備は万全。楽天の歴史に、今江の名を刻み込む。【松本岳志】