日本ハム栗山英樹監督(54)が13日、大谷翔平投手(21)の野手起用について来季も「打撃専念」の方針を示した。今季と同様に守備には就かせず、指名打者(DH)か代打での出場に限定するつもり。守備の負担をなくすことで、今季は不振だった打撃面で再浮上させることが狙い。潜在能力の高いバットも覚醒させるため、1年目のような外野守備を任せる考えを1度封印する。

 投打「二刀流」の理想型を目指す中で、「野手・大谷」は来季も打撃専念となる。栗山監督は4年目の野手としての起用方針を、明確にイメージしていた。「守らせることは、あんまり考えていない。負担を、とにかく減らしていかなければ」。今季は3年目で初めて守備機会がなかった。先発陣の軸となり投手としての比重も高まったことで、肉体的な負担も考慮。1年目のような外野守備は就かず、DHか代打に限定された。来季も同様の形を踏襲する。

 打撃面の成長を後押しする策だ。今季はDHとしてスタートしたが波に乗れなかった。シーズン中盤からDHは近藤に奪われ、代打での出場が主になった。昨季は打率2割7分4厘、10本塁打をマークも今季は打率2割2厘、5本塁打。栗山監督は「もっと打てるよ。オレは野手(大谷)の使い方には厳しいよね。能力があるのに、出来ないから厳しいんだ」。投手としては成績が示すように年々成長。来季は中6日の登板間隔を守っていくことが求められる中で、守備に就かなかった今季をベースに打撃面を再浮上させるつもりだ。

 この日、由仁町で講演した栗山監督は、参加した少年少女らに投打の大谷の写真を見せながら夢を持つ大事さを説いた。指揮官が描く将来的な青写真は「日曜に投げて、月曜に休んで、火水木金は(野手で)出て、土曜は登板の準備をする」。投げて打って守ってが理想だが、今は道半ば。最終型へ向かうための段階として、まずはDHのレギュラー奪回を目指してもらう。【木下大輔】