注目したいのは村上の投球ですね。いつもの投球とは確かに違った。初回からストレートのコントロールがズレてボールになる場面が目立った。立ち上がりからなかなか力みが抜けない。力みが抜けたのは80球手前の5、6回あたり。村上本人はかなり苦労していたと思います。
それでも「ここ1本打たれたら失点する」という場面では、最高のボールが決まる。象徴的だったのは3回のセデーニョの場面。2死二塁、フルカウントから外角の変化球で空振り三振を奪った。苦労して苦労してもなんとか抑える。丁寧に投げる。これが村上の真骨頂。これはいい投手の素質だし、やっぱりすごいなと思うんです。
今シーズンはここまで16試合に登板して7勝5敗、防御率1・98。試合を壊したというのは5回5失点だった5月1日の巨人戦(甲子園)くらい。その他の試合は3点以下に抑えているんですよね。この日も勝ち星はつかなかったですが、数字以上の貢献度というのがある。こういう投手がいるとチームとしても大きいですよね。
首位争いの中で、チームはヤクルトとの前半戦を「7勝5敗の勝ち越し」で終えた。これは「6勝6敗のタイ」で前半戦をターンするとでは後半戦に向けた心理的な優位性がまったく違う。印象的に変わりますよね。後半戦で相手に「くみしやすし」と思わせないためにも、この3戦目をしっかりと勝ってカードを勝ち越した意味は大きい。(日刊スポーツ評論家)




