契約を保留していた日本ハム陽岱鋼外野手(28)が15日、札幌市内の球団事務所で2度目の交渉を行い、前回提示額にインセンティブがついた1億6000万円プラス出来高払い(推定)でサインした。約半月の“冷却期間”で評価にも納得。今季ヤクルト山田、ソフトバンク柳田がマークした「トリプルスリー」にも興味を示し、出来高項目達成分の収入は、台湾での社会貢献活動費にする考えも明かした。

 とにかく明るい、来季像だ。2度目の交渉に臨んだ陽岱鋼が4000万円ダウンの1億6000万円プラス出来高払いでサインした。「2015年12月15日、陽岱鋼、サインしました。安心してください」。マイクに向かって宣言し、気をもんだファンを落ち着かせた。

 提示額は今月2日の前回交渉と変わらなかったが、新たにインセンティブがついた。「気持ちの整理ができました」。納得して契約し、インセンティブに関しても「達成するのを目標にして、台湾でのチャリティー活動に貢献したい」と、社会活動にあてるつもりでいる。

 前回交渉後は台湾に帰っており、前日14日に再来日したばかり。「変なうわさがあったので、気になってました」。現地のメディアは、陽岱鋼にトレード話があるという日本の一部夕刊紙報道に過剰反応し、何度も質問されたという。「なんなんだろうと思っていた。今日も(球団と)話しましたけど、そんなことないですよ。高校生から入ってきて10年、感謝しています」と、愛着も口にした。

 ヤクルト山田、ソフトバンク柳田の2人が達成し、今年の流行語大賞にも選出された「トリプルスリー」について問われると、「かっこいいですね」とニヤリ。走攻守で高いレベルにある選手だけに、同様の活躍を見せ「優勝したい」とチームに貢献することを誓った。

 昨オフは楽天松井稼と、米ロサンゼルスで合同トレを行ったが、このオフは「初心に戻って」と、2軍施設の千葉・鎌ケ谷で体づくりを行う予定。「若い選手が多いし、(自分は)中堅になってきている。自分のプレーに対して責任がある」。2年続けて故障で戦列を離れた悔しさは、来季、グラウンドで晴らす。【本間翼】

 ◆日本ハムの契約更改終了 チームただ1人保留していた陽岱鋼がサインして、日本ハムは全選手の契約更改を終えた。助っ人外国人をのぞき、来季の1億円プレーヤーは6人。チーム最高年俸は中田翔の2億4500万円、続く増井浩俊の2億2000万円が投手最高額となった。(金額は推定)