静岡県勢ストッパーが教壇で直球勝負!! 焼津市出身の日本ハム増井浩俊投手(31)は15日、藤枝中央小を訪問し、プロ野球選手会が連携した日本サッカー協会(JFA)のプロジェクト「夢の教室」の“先生”として今回、初登場。ユニホーム姿で硬球によるキャッチボールで交流を深め、自らの体験談を交えながらの授業を展開。小学生に夢をあきらめないことの大切さを熱く語った。

 3時限目、ユニホームに身を包んだ増井が、まず「プロ技」を公開した。5年2組の32人から大歓声を浴びながら体育館に登場。あいさつ代わりに硬球でのキャッチボールを披露した。4時限目は教室に移り、スーツ姿で教鞭を執った。黒板と自筆のボードを使いながら挫折を繰り返しながらプロになれた実体験を明かし「人それぞれ夢は違うけど、あきらめないで努力し続けることが大切。粘り強く夢に向かって頑張ってほしい」と熱弁。変化球なしの直球勝負で語った。

 元Jリーガーらが特別講師として授業に臨むJFA「夢の教室」とプロ野球選手会との初連携で、増井に白羽の矢が立った。野球教室での指導はあるが、教壇に立つのは初めて。増井は「シーズンとはまた違う緊張感でした。すごく真剣な表情で聞いてくれた。しっかり伝わったと思います」と振り返った。その熱意は小学生に伝わったようで、増井とキャッチボールした焼津リトル投手の白岩大誠くんは「すごく生きたボールで捕りやすかったです」と目を輝かせた。

 日本ハムは来年4月1日、ソフトバンクとの公式戦を草薙球場で開催する。先発は大谷翔平(21)、リリーフで増井が登場する可能性もある。「出番があれば最高ですね。来季はパ・リーグの抑えの中で、なにか1番になれれば」。小学生と自らの夢を背負い、凱旋登板する意欲を示した。【鈴木正章】

 ◆増井浩俊(ますい・ひろとし)1984年(昭59)6月26日、焼津市生まれ。小4から和田少年野球団で野球を始め、6年時から投手。焼津中軟式野球部を経て、静岡に進学し2年夏の県4強が最高。駒大、東芝を経て09年ドラフト5位で日本ハム入団。12年最優秀中継ぎ投手で初タイトル。今季は球団タイ記録の39セーブを挙げ、プレミア12日本代表に選出。弟の達哉氏(29)が静清で副部長、裕哉氏(26)は浜松北で監督を務める。181センチ、70キロ。右投げ右打ち。