ルナ先生、しくじっていただきます! ナゴヤ球場でトレーニングに励んだ中日福谷浩司投手(24)が広島に移籍するエクトル・ルナ内野手(35)を警戒した。元同僚は外国人打者に対する攻め方を何度もアドバイスしてくれた存在。福谷は「対戦した時には、成長した姿を見せたいですね」と「先生」を封じ込めるつもりだ。

 気がつけば、ルナが通訳を介して福谷にレクチャー。福谷も疑問があれば質問もした。ともに13年に中日入団した。この3年間でもらった助言は山ほどある。福谷がもっとも印象に残っているのは、昨年14年9月2日ヤクルト戦(神宮)の試合後だった。

 3-2で迎えた9回のマウンドに立つと、先頭で代打バレンティンと対戦した。初球はスライダーでストライクを取った。その後、いい当たりながら中飛に抑えた。1点差を守りきりセーブ。しかし、初球のスライダーは三塁で守っていたルナにとって「怖いと思ったよ」。1発があれば同点。外国人選手の特色や攻め方を指導してくれた。

 これから敵となるルナ先生を徹底分析する。何度もバットでも助けてくれただけに、いい打者なのは身に染みている。実際に対戦もしている。「昨年春のキャンプで本塁打を打たれている。ミート力のある打者。相手の打者として情報を見て考えていきたい。まだこれというものはないんですけど」。守護神を目指す慶大理工学部卒の頭脳派は、教えてもらった術もつぎ込み、研究を重ねる。【宮崎えり子】

 ◆しくじり先生 著名人がしくじりを告白し、教訓を伝えるテレビ朝日系バラエティー「しくじり先生 俺みたいになるな!!」。スポーツ界からはゴルフ丸山茂樹や元巨人の元木大介氏が先生役として出演した。

 ◆広島ルナへの竜投たちの反応 エース大野は「いやな打者には間違いない。どうやって抑えましょう? ルナでも10回中7回は失敗するんですから、その確率を上げたい」と控えめに宣戦布告。今季10勝を挙げた20歳右腕若松は「対戦したくない。内角を避けるイメージがあります。ルナだし、ちょっと外に投げてあげようかな」と本音をはぐらかした。