日本ハム大谷翔平投手(21)は、天敵「熱男」の決断にも揺らぐことはなかった。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレ中の24日、メジャー挑戦を目指していたソフトバンク松田が残留を表明。通算の対戦成績で被打率3割4分5厘と苦手にする強打者と来季も対戦することになったが「気にしても、しょうがないので」と自然体。警戒しつつも難敵攻略へ秘めた自信も見せた。

 大谷にとっては、うれしくなさそうなクリスマスプレゼントにも思える「松田残留」の一報にも泰然自若だった。鎌ケ谷の室内練習場での自主トレ後に感想を問われると「個人の決断なので僕は…」。特別な感情は見せなかった。ソフトバンクの強力打線をけん引する松田を「やっぱり存在感がある選手」とし、来季も続く対戦を、静かに見据えた。

 数字上は「投手・大谷」にとって天敵の1人だ。プロ入り後、3年連続で3割以上の打率をマークされている。今季は12打数4安打3打点、3割3分3厘。シーズン佳境の9月10日には、広い札幌ドームの右翼席へ先制32号3ランを被弾した。結果的に6回0/3を7失点で5敗目。優勝争いの上で手痛い黒星につながる一発を浴び、試合後は「自分の力不足」と嘆きが口をついた。

 厄介な相手なのは間違いない。だが、過去の苦い思いは、清算済みのようだ。「打たれている以上はアレなんですけど…苦手意識はない。(楽天の)銀次さん(通算4割7厘)より苦手意識はないです」。本人にしか分からない感覚的な部分で、天敵攻略法は見えているもよう。抑えなければならない「熱男」の残留も「気にしても、しょうがない」と「クール」に受け止めた。

 クリスマスイブのこの日、室内練習場では約1時間の打撃練習を行った。ボールを片付ける際は「投手・大谷」で、自然と投球フォームを意識しながら拾っていた。「松田さんだけじゃないけど、いいチームだなと思う」。松田を含め、今季の被打率3割超えが4人もいるソフトバンクの強力打線を警戒する考えは変わらないが、内に秘める自信を来季は結果につなげてみせる。【木下大輔】

 ▼大谷の球団別今季被打率はソフトバンク2割6分5厘が抜けて高く、ロッテ1割8分4厘、西武1割6分5厘、オリックス1割5分6厘、楽天1割4分6厘と続く。ソフトバンクには松田以外にも、通算被打率3割超の李大浩3割8分9厘(18打数7安打1打点)中村晃3割6厘(36打数11安打3打点)明石3割(20打数6安打2打点)がいる。