投手も走塁革命や! 阪神能見が「プロ初盗塁」に意欲を見せた。8日はサンテレビ「熱血!タイガース党」に生出演。出演前に取材に応じた左腕は、金本監督が掲げる積極走塁に呼応するように「興味はあるんですよね。この場で言ってしまうと、警戒されちゃうんですけど(笑い)」と、初盗塁をひそかに狙っていることを明かした。

 これまでも「9人目の野手」として打撃に強いこだわりを見せてきた。もちろん、出塁すれば野手として先の塁を狙う。「(出塁しても)ピッチャーなので、あまり警戒していないというのは分かるんですよね」。これひょっとして、いけるんちゃうか…。一塁ベース上で思っていたことを今季は実行に移す。まさに、投手版「超変革」だ。

 春季キャンプで練習するプランも披露した。「もっと滑る(スライディング)練習とかサブグラウンドでできると思う。もし、監督がそういう考えなら、もちろんやらないといけない」。2月の沖縄・宜野座キャンプではサブグラウンドで投手の走塁練習が可能だと力説した。

 今月中旬からは恒例の沖縄自主トレをスタートさせる。先発最年長の36歳は「どうしても衰えるところだから。しっかり投げられる状態にしたい」と、下半身強化に重きを置く考え。もちろん、投球が大前提で、盗塁の優先順位は低い。それでも「1度は走ってみたいね」。顔は笑っていたが、目は真剣だった。【桝井聡】

 ▼阪神の投手が今シーズン盗塁を成功させれば、81年小林繁以来、35年ぶり。小林は同年8月20日ヤクルト戦(神宮)3回に四球を選び、次打者真弓明信のとき二盗を決めた。なお2リーグ分立後、阪神投手の盗塁は計23個。50年御園生崇男、53年には梶岡忠義と真田重男がシーズン2盗塁を記録している。