DeNAに“山の神”が誕生した。新人合同自主トレ3日目は恒例の山登りで、ドラフト5位綾部翔投手(18=霞ケ浦)が、2位の育成3位田村丈投手(23=関学大)を6秒差で振り切り1位となった。初めて横須賀市内のベイスターズ球場を訪れたDeNAランニングクラブの瀬古利彦総監督(59)から「山の神になって」と絶賛を受けた。

 球場から標高133メートルの塚山公園見晴台まで2・2キロだが、最後の700メートルは瀬古総監督が箱根5区より「急できつい」と驚く急勾配。最後に待ち受ける133段の階段も綾部は力強く登り切り10分47秒でゴール。「ギリギリでした。でも負けたらダメだと。気持ちを強く持ってできました」と充実感を漂わせた。

 瀬古総監督は感心していた。「大きな体だけど、軸がぶれずに安定した走り方。投球も軸が大切だから、いい球が投げられるでしょう」と本業にも通じると解説。さらには正月の箱根駅伝の山登りを走れとノリノリだった。「東洋大と駒大どっちがいい?」と振られた綾部は、ドラフト1位今永と4位戸柱が駒大出身のため「駒大です!」と即答して笑いを誘った。キャンプは2軍スタートだが、快走で存在感をアピールした。【矢後洋一】

 ◆綾部翔(あやべ・かける)1997年(平9)4月25日、茨城県生まれ。霞ケ浦では3年夏の甲子園に出場。最速145キロの直球にチェンジアップなど多彩な変化球を操る。50メートル走6秒6、遠投105メートル。187センチ、87キロ。右投げ右打ち。背番号45。血液型O。