中日浅尾拓也投手(31)が自己最速ペースの仕上げでシーズンに向かう。14日、米グアムで自主トレを公開。すでに2日連続ブルペン入りするなど、肩の不安のない今年は例年より1カ月早く、すでに2月中旬の状態にあると実感する。開幕からセットアッパーの座を奪い返すため、キャンプでは技術面を詰めていく。

 体が万全なら、すべてがうまく回転する。南国グアムの太陽をたっぷり浴びて、思う存分汗を流す浅尾の表情は明るかった。

 「ベテランみたいな調整をする立場でもないし、アピールしていかないといけない。こんなにペースが早いのは初めてだと思う」。シーズン終了から1カ月まるまる休み、11月に投げ始めて以来、2日と空けずに肩を動かしてきた。元日も投球練習を行った。グアム入りした7日の時点で「技術面で考えながら練習できる状況になっている」と振り返ったほど。すでに捕手を座らせて2日連投も行う段階まできている。

 例年ならグアムでは遠投まで。帰国後にブルペン入り、2月1日のブルペンは軽めで、1カ月で体を仕上げていった。1カ月スケジュールを先行させたことで、沖縄・北谷キャンプでは腰を据えて高いレベルの課題に取り組める。

 すべてはセットアッパー奪回のため。復活気配を見せた昨年、原点を思い返した。腕を振ること-。小手先に走らず、腕を振ることでスピードも戻り、変化球にもキレが出る。自分らしさを取り戻す作業に、1本道筋が見えている。

 「結果を残していかないと若い子たちには勝てない。やっぱり勝ちゲームで投げたい。まずはそこで勝負できるように。中継ぎは今、ほぼみな同じ立ち位置だと思うので、そこから何か抜け出ないといけない」。グアム自主トレはまもなく終了。確かな手応えを携えて次のステップに移る。

 ◆浅尾の調整 14年、15年はグアムから帰国後にブルペン入り。WBC(3月)日本代表候補だった13年すら初ブルペンは1月23日と例年遅めだ。MVPに輝いた11年は1月28日に初ブルペン。翌12年は捕手を初めて座らせたのはキャンプ初日だった。