打点王が若手の背中を追いかけた。ヤクルト畠山和洋内野手(33)が16日、宮崎・西都市内で自主トレを公開。「1人じゃやらない」という坂道ダッシュで全12本、最後方を必死に駆けた。

 森岡や秋吉ら、後輩との合同練習はプロ16年目で初。これまで自主トレは単独だったが、リーグ優勝を経験し、さらなる進化を求めた。「たくさん練習できる性格じゃない。後輩に、追いつけないけどついていこうと」。同じく1人ではできない投内連係など“生”の動きを取り入れ、例年より投げる、打つの体の仕上がりが早くなっている。

 理由がある。ケガで過去1度も、シーズン全試合出場をしたことがない。「離脱しない準備をする。一塁を1年間守る。チームが勝つことで僕らの評価も上がる」。足腰の強化と全身のケアに、入念に気を配るようになった。

 FA権を行使せず残留、今季から3年契約を結び直した。目標は「一昨年(4割2厘)くらい」という2年ぶりの得点圏打率4割。「西都にゆっくり泊まったのは8年ぶりくらい。昔よくしてくれた人たちに会って、また頑張ろうと思った」。かつて2軍秋季キャンプで訪れていた出発の地で、さらなる飛躍の1歩を踏み出した。【鎌田良美】