【ホノルル(米ハワイ州)15日(日本時間16日)=細江純平】「拝啓 原辰徳様」。巨人菅野智之投手(26)が伯父である原辰徳前監督(57)に決意の手紙をしたためた。プロ入り後初めて「選手と伯父さん」という関係になり、これまでの感謝と決意を新たにした。

 この場でも、いつもと変わらず「原監督」と呼ばせてもらいます。伯父という関係に戻りますが、僕の中では今までと全く変わりません。生まれてから26年間、原監督を伯父さんと思ったことは1度もありませんでした。1人の野球人として、先輩という気持ちでしか接してきませんでした。今回の自主トレ中に監督がハワイに来て、一緒にゴルフをしましたね。野球の話はしませんでしたが、いつも通りの緊張感がありました。これからも今までと変わらず敬語を使うと思います。監督を辞めたからといって、何ひとつ変わることはないです。

 長い監督生活、お疲れさまでした。感謝の気持ちしかありません。使ってもらったこと。一緒のユニホームを着て戦った3年間、ある程度の結果を出せたのは監督のおかげです。悔いが残っていることは、日本一になれなかったことです。本当に悔しかったです。1回ぐらいは監督を日本一にしたかったです。

 一番の思い出は1年目の広島とのCS(クライマックスシリーズ)ファイナルステージ第2戦で3安打11奪三振で完封した試合後です。東京ドームの監督室に呼ばれて、何かねぎらいの言葉でも掛けてくれるのかと思っていたら、その逆でした。「9回のマウンドで笑顔が見えた。勝負師として厳しさが足りない」と怒られたことは今でも鮮明に覚えています。でもその通りだと思います。おかげで自分の中でレベルアップできたと思うし、今でも大事な言葉となっています。

 最後までエースと言ってもらえなかったけど、高橋監督からも、エースと呼んでほしいという気持ちはありません。無理にその称号にはこだわっていません。周りが自然と思ってくれればいい話ですから。菅野智之という投手を見て、評価してもらえれば良いと考えています。「原監督のおいが菅野智之」じゃなくて「菅野智之の伯父さんが原監督」と言われるように精進していきます。今年は結果を出している姿をテレビやグラウンドの外から見守っていて下さい。高橋監督を日本一にすることが恩返しだと思っています。