兵庫県出身の阪神ドラフト2位坂本誠志郎捕手(22=明大)が「震災の日」に誓いを新たにした。阪神・淡路大震災から21年、鳴尾浜球場のグラウンドに出た坂本は他の選手とともに黙とうした。当時1歳で記憶はないが、消防士だった父から、どんな状況だったかを聞かされて育ったという。

 「父は近くまでいって救助作業をしていたと聞いています。人が生きていけるような状況ではなかったと。いろいろな話を聞きました」

 また、兵庫県では学校でも、この時期になると教育の題材として震災を振り返っているという。坂本はそんな経験から野球選手としてできることにも頭を巡らせた。

 「大震災の記憶がないので、そんな僕が言うのはおかしいと思いますが、震災があった時に生きていて、また、野球が今、できている。僕たちは野球を一生懸命するしかないんですけど、どこかでそれを励みに思ってくれる人がいれば、と思います」

 この日は筋力トレーニングのメニューを通常のものから、さらに追加した。

 「毎日、自分で課題を探しながらやっていきたい」

 キャンプの足音が近づく中、野球をすること、鍛錬することの意味を考える1日になったようだ。