日本ハム大谷翔平投手(21)が、今季の成功哲学に「非完璧主義」を掲げた。2軍の千葉・鎌ケ谷で24日、自主トレを実施した。4年目の開幕へ向けた極意を吐露。「最初から完璧にできるとは思っていない」と、達観した境地を明かした。肉体改造でモデルチェンジしただけに、キャンプでは技術面などで再度、試行錯誤が必至。20代離れした思考で、心のゆとりを持って開幕へ突入していく。

 心理カウンセラーのように、磨いた才能と向き合っていく。自然と道は開ける。大谷は野心を消し、4年目の開幕へと向かう道中を描いていた。松本や渡辺とミート数を競うなどして約1時間30分のフリー打撃。打撃投手を即興で務めた上沢との対戦も、楽しんだ。無邪気さいっぱいだったが冷静に、自分を突き放した。「最初から完璧にできるとは思っていない」と、切り捨てた。

 ほろ苦い経験をし、導き出した極意だ。昨季は、開幕前の調整が難航した。昨年は2月のキャンプ中に、初の開幕投手の指名を受けたが、3月のオープン戦で計3戦11回で防御率7・36。今季と同様に体重は増したが、技術面とマッチするまでに時間を要した。急ピッチで修正を図りシーズンインも、開幕から7連勝するなど進撃。投手3冠を獲得する飛躍の1年にした。

 好例のモデルケースの昨季を土台にした「非完璧主義」が、成功哲学になる。昨季から狙い通りに7~8キロアップし、101キロ程度まで体重を増やした。開幕までを見通し、心得を説明した。「(昨年は)うまくできないことに対して、自分の中でイライラもありました。かなり焦って、焦ってやっていましたけれど(今年も)それくらいで、ちょうどいい。今年もおそらく、そうなるのかなと」。

 心にゆとりを、進化のカギに据えた。「別の体だと思って、扱っていかないといけない」と難題を受け入れる覚悟を、決めた。レベルアップするため、今季も生まれた障壁を歓迎。「ちゃんと(肉体を)操作しないと、動けなかったりすると思う。そういうの(課題)を1個、1個取ってみても楽しいかなと」。ストイックな反面、悟りを開いたかのような余裕もある。大谷が「二刀流」のマインドコントロールで、球春へ進む。【高山通史】