阪神の主砲マウロ・ゴメス内野手(31)が27日、大阪空港に降り立った。最速来日なだけでなく、過去2年との違いはひと目で分かった。黒いTシャツを押し上げる筋肉の隆起。重量感満点だった巨体が明らかに研ぎ澄まされていた。

 ゴメス 練習はやっていたが、体重計に乗っていたわけじゃない。体重を気にするより、自分のやるべきことをやっていた。過去2年より体の感覚はいいよ。

 昨年10月末、ドミニカ共和国に帰国する前に金本新監督と“面談”した。「外国人選手だから(トラブルは)あるもんだと思って。(体重)量らせて帰らせた。ちゃんと『これ以上体重増えたら知らんぞ』って。でも、外国人選手だからな…」。指揮官がこう明かしているように、体重オーバー厳禁は2人の約束だったようだ。あれから3カ月、金本監督の心配は杞憂に終わったようだ。

 ゴメス 監督との話は2人だけの話だから…。ただ、監督が(体を見て)びっくりするなら、いいけどね。キャンプでは監督に言われるように守備の練習もしっかりやりたい。

 体重の話題に多くを語ろうとしなかった。だが、そのシャープなシルエットが何よりも雄弁にオフの成果を物語っていた。1年目は夫人の出産で、2年目は車上荒らしにパスポートを盗まれたという理由で、キャンプインに間に合わなかった。3年目で自己最速の1月来日。球団が「超変革」を掲げるシーズン、4番打者が2月1日からグラウンドにいる。助っ人ゴメスも変革の兆しを示した。【鈴木忠平】