覚せい剤所持容疑で逮捕された元プロ野球選手清原和博容疑者(48)が、警視庁の調べに対し、入手先の供述を拒んでいることが4日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は入手先に暴力団が関わっているとみて調べている。清原容疑者は暴力団に脅迫されていたとみられ、混乱した精神状態に陥り、恐怖から逃れるために覚せい剤を使用した可能性もある。警視庁は4日午前、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で清原容疑者を送検した。

 清原容疑者が最近、逮捕直前まで暴力団関係者に脅されていた可能性が浮上した。そうした状況が、入手先を話さないことや、逮捕に至った背景にあるとの指摘もある。

 関係者によると、昨年ごろの時点で、清原容疑者の薬物情報や入手先を詳細に知る人物らが、捜査当局に情報提供する動きを見せたり、同容疑者側とやりとりしようとしたという。「そのような状況を、清原容疑者に近い暴力団関係者が知ることになりトラブルになった。薬物情報を把握されたり、トラブルになったことなどから、その後、清原容疑者は暴力団関係者に事実上、脅されるようになったようだ」(同関係者)。

 2日夜、警視庁の捜査員が都内自宅マンションに踏み込んだ際、清原容疑者は、覚せい剤使用に用いたと疑われる注射器1本とストロー1本を左手で握っていたとされる。この関係者は「薬物がらみで捜査当局にマークされていることを分かっていたはずの清原容疑者が、それでも覚せい剤に手を出したとされる背景には、暴力団関係者から脅されていたことへの恐怖感を一時的にでも忘れるため、という動機があったのではないか。心のどこかに『捕まったほうが楽』という意識があったことも考えられる」と指摘した。

 捜査関係者は話す。「警視庁は関係先を徹底的に調べあげている。そういったデータを突き付けられたら、清原容疑者が今後も入手先を明かさないでいられるかは不透明だ。もし入手先を話し出したら、同一ルート上に著名人もいるだけに、第2弾の大物薬物逮捕が近く起きる可能性も高まる」。