こっちの助っ人も打って走れるで! オリックスは宮崎キャンプの25日、韓国・斗山との練習試合に5-1で快勝した。新外国人ブレント・モレル内野手(28=アスレチックス3A)は「4番DH」で初の実戦に臨み、2打数2安打1打点。ブライアン・ボグセビック外野手(32=フィリーズ)とアベック盗塁も決めた。外国人による4番争奪バトルは激化の一途だ。

 モレルが初打席からインパクトを残した。1回は盗塁を決めたボグセビックを二塁に置いた無死二塁のチャンス。元西武の右腕ボウデンの直球を素直にはじき返し、足元をゴロで抜く中前適時打を放った。

 「結果が出たことで気分はいい。ただ今の時期は、あまり結果は気にしてない。投手の生きた球を見ることができて良かった」

 シュアな打撃の次は、足で魅せた。続く中島の3球目にスタート。投手のモーションを完全に盗んだ。悠々と二塁に到達すると、スタンドから驚きの声。3、4番の外国人コンビが、珍しいアベック盗塁だ。ボグセビックはマイナー通算123盗塁の俊足。だがモレルはメジャー6年間で12盗塁と足はクローズアップされていなかった。

 「すごく足が速いわけじゃないが、機会があれば狙っていく。(盗塁は)走れる投手なら、たまに見られると思うよ」。3回は1死から左前打を放ち、2死後に捕手がワンバウンド投球を少しはじいたと見るや果敢に二塁を狙った。惜しくもアウトになったが、高い走塁意識を見せた。

 途中出場のブランコは二塁打を放ち、外国人の4番争奪戦は激しさを増す。福良監督は「3人とも結果を出したのはいいこと。競争が激しいね」とうれしい悩みを抱えた。モレルについては「自分で考えながら打撃をやっている。賢いよね」と評価した。

 立派なひげを生やし、顔色はほぼ変えない。「基本的におとなしい性格。あまりエキサイトせず、怒ることもないよ」。まるで哲学者のような好打者が、開幕4番を強くアピールした。【大池和幸】