金本チルドレンが「必勝指令」で豪快G倒!! 金本阪神が6日、オープン戦の巨人戦で宿敵を圧倒した。4回に6連打などで一挙5点を奪取。金本知憲監督(47)が前日5日に「勝ちにいこうぜ」とハッパをかけ、高橋由伸監督(40)との新人監督対決を制した。猛打のなかでも西岡剛内野手(31)の執念の打撃を高評価。しぶとく、たくましく、新生猛虎が甲子園初勝利を挙げた。

 執念が乗り移った白球ほど高くはずむ。巨人内海に襲いかかる猛攻は終わらない。4回だ。5人連続で単打のジャブを繰り返し、西岡が打席に入る。2点を勝ち越し、なおも無死満塁。フルカウントからの6球目は外角高めへ。これを思い切りたたきつけると、ゴロは一塁ギャレットの頭上を越えていく。2者が生還し、ライバルを突き放した。

 本拠地甲子園で6連打などで一挙に5点を奪った。ド迫力の猛打ショーで、金本監督が目を細めたのは、西岡の打撃内容だった。「一番、見習ってほしいのは西岡のたたきつけた打球。三振だけはしないぞと。1点を取りにいくというね。追い込まれた後はね。そういうのを中堅選手の西岡がやってくれている。見習うべき」。満塁だ。高いバウンドのゴロなら内野ゴロでも三塁走者の本塁突入もセーフになる可能性が高い。状況に応じて、最低限の打撃を渋くこなす。西岡のしたたかさが光った。

 今年の阪神は一筋縄ではいかない。近年、煮え湯を飲まされ続けた巨人相手に生まれ変わった姿を見せつけた。4回の攻撃は狩野から。4人連続で2球目までに仕留める速攻ぶり。高山、横田ら金本チルドレンが実践。鮮やかな猛攻は金本イズムのたまものだ。

 今季初の伝統の一戦だった。試合前、同じく新人指揮官の高橋監督とメンバー交換で握手して軽く会話しただけ。オープン戦だが、勝ちにこだわっていた。前日5日にはナインの前で「ちょっと勝ちにいこうぜ!」と必勝指令を出していた。その言葉通りに選手は発奮し、完勝してみせた。初対決を制する重要性を問われ「それはないけどね」とサラリ。まだオープン戦だが、まずは強烈な印象を植えつけた。

 昨年まで阪神は8年連続で巨人相手にシーズン勝ち越しがない。戦う集団に変貌した金本阪神が新たな1ページを色濃くつづるはずだ。【酒井俊作】