阪神梅野隆太郎捕手(24)が好リードでチームを3連勝に導いた。1回は巨人打線が早打ちで積極的に先発藤浪の速球を狙ってきた。同点に追いつかれると2回以降は目先を変える。カットボールなど変化球を多く織り交ぜる「軟投」ぶりで、巨人打線に的を絞らせない。「初回、真っすぐにガンガン初球から来ていたから」。相手の気配を読み取って、配球パターンを臨機応変に変える。そんな巧みさが光った。

 4番ギャレットとの勝負もポイントだった。1回に内角直球を巧みにとらえられ、中前適時打を許していた。2度目の対戦だった4回は一転して変化球攻めで空振り三振に抑える。最大のみどころは大勝濃厚の8回だ。2死満塁での対決。初球の足元に食い込むカットボールを空振り。3球目も同じコースのカットボールにまたも空を切る。ここがポイントだった。梅野も「ここを空振りするんだと思いました」と振り返る。追い込んだが、勝負を急がない。外角に直球とフォークを投げて目移りさせた。「すぐに(勝負に)行かないでおこうと」と梅野は言う。6球目だ。三たび、内角低めカットボールを選択。豪快に空を切らせて勝負を決めた。宿舎への引き揚げ際に「アイツ(藤浪)がしっかり投げてくれた」とボソッと言う。3試合連続の先発マスクで3連勝。女房役の顔になっていた。