勝利の方程式にも不安が残った。7回は安藤と高橋がミスがらみで2失点。締めを任された球児とマテオも1失点ずつ喫した。

 救援再転向後、全4試合無失点だった藤川はらしくない投球だった。2点リードの8回。北條の失策から川端、山田に連続四球で無死満塁。バレンティンを空振り三振、雄平も三飛に仕留めたが、畠山に押し出し四球で、中継ぎで初失点した。

 「押し出しは(いけ)ない。リリーフして初めてじゃないかな」。日米通算の救援登板でも記憶にない押し出し。最後は武内を空振り三振に仕留めて2ホールド目をマークしたが、表情は複雑だった。「勝てば全然OK。でも押し出しはないよね」と反省ばかりが口をついた。

 マテオも綱渡りだ。9回表に3点差に広げてもらったその裏。先頭今浪に152キロを左前に運ばれ、西田にも左中間に運ばれて無死二、三塁。川端の犠飛1点で抑えたが、2死からバレンティンにはあわや逆転サヨナラ3ランかという大飛球。「よくなっている感じはある。もう少し上げていきたい」。4日間休養を余儀なくされた下半身の違和感が残っているのか。4戦連続失点で喜べぬ11セーブだ。

 香田投手コーチは8回藤川、9回マテオの並びについて「そうなってくれるのが一番」と明言した。勝負の夏場に向け、チームを挙げた再整備が求められる。【松井清員】