鬼門は「スモールベースボール」でこじ開けた。DeNAが交流戦の白星発進を決めた。12球団最下位に甘んじた昨季交流戦は、3勝14敗1分けの史上最低勝率の汚点までついてきた。打線の勢いに任せたスタイルを改め、機動力を駆使してパ・リーグ最強打線の西武を撃破した。

 泥くさく、しぶとく。4点リードの5回先頭の梶谷が死球で出塁した。1死後、打者宮崎の2球目、二盗を決めた。西武炭谷に二塁送球すらさせない。完璧に盗んだ。2死三塁、主砲筒香も足並みをそろえた。「あの場面はヒットで走者をかえすことだけに集中した」と、141キロ直球をコンパクトに振り抜き、中前へのダメ押し適時打で5点目を奪い取った。

 ラミレス監督も計画通りの試合運びにうなずいた。「思った通りのスモールベースボールをやってくれた。交流戦の初戦を取ることは本当に大事だった」と14年以来2年ぶり4度目の交流戦初戦の勝利を評価。残り17戦も変わらぬ野球を継続する。この日は3盗塁を決め「足を使った積極的な野球がキーになる。パ・リーグはいい投手が多い。なんとかして得点を生んでいきたい」と言った。

 順位変動が激しい交流戦だけに勝率5割復帰と同時に4位から中日と並び2位タイまで浮上。指揮官は「大きな意味、たくさんの意味のある勝利だった」と大きな期待感を持って球場を後にした。【為田聡史】