巨人打線が気鋭の西武高橋光を速攻で攻略し、交流戦単独首位に浮上した。2回。長野の3球目の右翼線三塁打が合図だった。早仕掛けが始まる。阿部が初球を中前への先制適時打、クルーズの敵失、村田の中前適時打もファーストストライクと積極打法を推進した。1イニング5得点で2試合連続完投中の高橋光から主導権を奪った。

 5日に日本ハム大谷、7日に西武菊池と剛腕に連敗中だった。内田打撃コーチは原点回帰を唱えていた。「2人にグチャグチャにされた。これを立て直すのは簡単じゃない。球を見極めても受け身になるだけ。いかに早いカウントを積極的に打つか」。7回の坂本の3打点目の適時打、8回の村田の5号ソロも2球目。高橋光を吟味することはしなかった。1000打点に4と迫った村田は「甘い球をきっちりセンター返しできた」と実践した。

 坂本、長野、阿部、村田の「枢軸」が12安打中10安打と打ちまくった。阿部は通算100度目の猛打賞に「遅いね。それより、よく調べたね。また打てるように頑張ります」と笑った。高橋監督も「いい形で攻撃できた。中心の選手がここぞでヒットを打つと点が入る」と実感した。打線が目覚めれば、巨人の進撃が再び始まる。【広重竜太郎】

 ▼阿部が先制打を含む3安打。阿部の打点付き安打は今季3本目だが、すべてV打になっている。阿部の猛打賞は今季初めてで通算100度目。巨人で猛打賞を100度以上は今年の5月20日に記録した坂本以来12人目だ。勝利投手は内海で、阿部V打、内海勝利の試合は14年9月12日DeNA戦以来16度目。阿部V打試合の勝利投手は内海が最多で、内海勝利試合のV打も阿部が最も多い。