勝ち越しウイークじゃ! 広島が09年以来、7年ぶり3度目の交流戦勝ち越しへ向け、一丸で立ち向かう。今日14日からは「日本生命セ・パ交流戦」西武、オリックスと最後の6連戦をマツダスタジアムで戦う。3勝無敗の戸田、エース左腕ジョンソンの後は、ハーラートップ男の野村と続く。中継ぎ助っ人の見極めも重要だ。打っては首位打者も視野の鈴木が引っ張る。重要な1週間がはじまる。

 古人は梅雨に降る雨には栄養分が多く含まれていると考えていたという。それほど、梅雨を越えると作物が大きくなった-。広島が梅雨同様の重要な時期を迎える。今日14日から本拠地で西武、オリックスとの交流戦最後の6連戦。現在5勝6敗1分けで、チームとして09年以来7年ぶり3度目の交流戦勝ち越しがかかる。

 重要なカード初戦を任せられる戸田は「西武打線は好調と聞いています。低めをつければ連打はない。まだまだですけど、しっかり投げきって信用してもらえるようになりたい」。投げ合うのは西武菊池。高い壁だが、もちろん譲るつもりはない。勝ってチームに勢いをもたらす。

 その後も西武3戦目にはハーラー単独トップを守りたい野村が、オリックス初戦には日米通算199勝目をかけて黒田が、同2戦目にはプロ初勝利をかけて1位ルーキー岡田が投げる。リーグ戦再開の“梅雨明け”に、大成長をみせられるか。この1週間で状況は大きく変わる。「チームが勝てれば。そのために自分の投球をしたい」と野村は腕を回す。

 今後にも備える。前カードの楽天戦で課題が出た「勝ち継投」は、基本線に7回ヘーゲンズ、8回ジャクソンを置きながら状況と相性を見ながら流動的に起用する。ルナ、プライディの外国人野手をカンフル剤とするなら、投手の見極めが必要。「1カ月前から、いい方を8回にすると伝えている」と緒方監督。「首位固め」と「見極め」の1週間にもなる。

 現在交流戦打率3割5分9厘で10位につける鈴木には、交流戦首位打者もかかる。「とれればいいけど、甘くはない。立場をわきまえて思い切ってやるだけ」。チームも、投手も野手も、きっかけをつかめるか。夏は、すぐそこまで来ている。【池本泰尚】