今季から育成選手として再出発したヤクルト由規投手(26)が、支配下登録に昇格することが22日、決まった。この日、イースタン・リーグの巨人戦(ジャイアンツ球場)に先発。視察に訪れた衣笠球団社長、小川SDや真中監督の前で5回98球を投げ、3安打2失点(自責0)。最速151キロをマーク、8奪三振と好投した。同SDは「判断材料としてはOK。いつでも支配下へGOサインが出せる」。7月8日からの中日3連戦(神宮)で1軍復帰し、先発する見込みとなった。

 由規は「社長や真中監督が来ていたので、いつも以上に気合が入ったマウンドだった。1軍にいつでもいける気持ちだけは持っていたい」と話した。前回登板の11日の同リーグ楽天戦(天童)では術後最多となる99球を投げており、中10日で臨んだ今回も98球を投げられた。肩のスタミナも順調に回復していると証明しており、1軍で戦えると見なされたようだ。

 現在チームはリーグ最下位に低迷。チーム防御率も5・12と12球団ワーストの数字。エース小川も3勝止まりと思うような数字を残せていない。ベテランの石川、館山は故障で2軍調整中。先発陣の立て直しが急務だった。由規が戦力として戻ってくれば、チームにとって大きい。故障とリハビリで苦しんできた由規が、神宮のマウンドに戻る日はすぐそこまで来ている。

 ◆由規の道のり 仙台育英から07年高校ドラフト1位。08年9月6日の巨人戦(神宮)でプロ初勝利。10年に当時の日本人最速161キロを記録。同年には初の2桁勝利となる12勝(9敗)をマーク。11年に右肩痛を発症。同年9月3日の巨人戦(神宮)が1軍最後の登板。13年に右肩の手術を受けた。