広島のドラフト1位岡田が9戦目でプロ初勝利を挙げた。テンポよく投げ込み、阪神打線を圧倒。7回に2ランを浴びるなどして降板したが6回0/3を投げ8安打2失点。初勝利にも「1試合、1試合で集中していたので、あっという間でした。マツダスタジアムで勝てて良かったです。本当にうれしいです」と照れ笑いした。

 最速149キロの直球に加え、独自の「マッスラ」がさえた。左打者の内角、右打者の外角へ自然と食い込むボールだ。本人は直球を投げ込む意識だが、自然と曲がる。この試合でも福留に日米通算2000安打を浴びた直後の6回2死一、三塁。原口への初球で動かし、2球目の148キロで差し込んで左飛に仕留めた。

 ものには無頓着。大商大時代は神宮大会での勝利球を監督に贈った。それ以外の記念球は「どこにあるか分からないです」と笑う。だがプロ初勝利の勝利球は「実家に飾っておきます。みんなが見られるので」。女手一つで育ててくれた母道子さんへの恩返しだ。

 チームは01年以来15年ぶりの8連勝。96年以来20年ぶりの貯金13とした。緒方監督は「ホッとしたよ。報われるべき投球をしていたからね」と褒めたたえた。【池本泰尚】

 ◆岡田明丈(おかだ・あきたけ)1993年(平5)10月18日生まれ、東京都出身。大泉第二中(東京)で軟式野球を始める。大商大高1年時に投手。大商大4年春は31イニング連続無失点を記録。最速153キロ。185センチ、80キロ。右投げ左打ち。