中日は上位打線に一打が出ず逆転負け、2位浮上に失敗した。10安打を放ったが、1~4番の安打はわずか3本。14残塁と得点力に欠いた。4番ビシエドは4打数無安打。なかなか快音が響かない。

 2番手又吉が6番村田に決勝の押し出し四球を与えた直後の8回だった。2死一、三塁でビシエドに打席が回った。巨人マシソンのスライダーに二ゴロ。加藤チーフ打撃兼野手総合コーチは「全てビシエド。これが打てればもう少し。それがクリーンアップだから。本人も重々、承知していると思う」と渋い顔だった。

 6月に入り4番はガクッと調子を落とした。6月の月間打率は1割8分1厘。ビシエドは「見ての通り。安打が打てないけど、こういう時もある。ホームランより安打が打てるようにしたい」。前日28日には谷繁監督も「ビシエドに打点がつかないといいリズムがこない」と話しており、チームの鍵を握っている。

 2回の先制劇は8番桂と投手バルデスの連続適時打で生み出したもの。谷繁監督は「先制点を2点取って、何回かチャンスがあったのに追加点というところが取れなかった。だからこういう展開になる」。誰もが4番の復調を待っている。【宮崎えり子】