チームみんなで「神ってる」! 広島が2位巨人を13-3と圧倒した。5番新井貴浩内野手(39)が2本塁打で4安打5打点と大暴れで、チームでは19安打を浴びせた。4連勝で巨人と11ゲーム差とし、球宴前の2桁ゲーム差を確定させた。優勝確率100%というリードを築き、今日13日の前半戦ラストゲームは黒田博樹投手(41)の日米通算200勝挑戦で盛り上がる。

 バットは豪快に放り投げた。2回だ。新井が巨人先発内海の外角球を振り抜き、右翼スタンドへ放った同点弾が、圧勝の合図だった。最大の対抗馬と目されていた巨人を木っ端みじんにたたきつぶした。内海を3回途中でKO。5回は打者一巡の猛攻で7点を奪った。最後まで攻撃の手を緩めず、今季最多19安打で13得点。この勢いはもうどこにも止められない。

 緒方監督 今日は新井さんでしょう。素晴らしい打席での集中力。狙い球を一振りで決められる。チームを引っ張ってくれている。頼もしい。

 口火を切った新井は3回に勝ち越し打を放ち、5回には再び右翼席へダメ押し10号2ランを放った。3年ぶりの2桁本塁打に「ちょっと恥ずかしいですね」と照れ笑いを浮かべたが、通算295本で並んでいた広島の先輩前田智徳氏を抜き、通算300本まで残り3本とした。6月まで5本塁打も、今月だけで早くも5本目。「しっかり下半身で粘って振り切れた」。2本塁打を含む4安打で5打点の大暴れ。打率は3位で打点は2位。ヤクルト山田の打撃部門3冠を止める位置に付けた。

 好調には裏付けがある。秋季キャンプで1日2000スイングを振り込み、状況に応じた打撃を徹底してきた。シーズン中も遠征先では、若手中心に素振りを継続。振る力は自然と養われている。ベンチでは今季3人体制となった打撃コーチ陣とともに、相手投手の球質や傾向を確認。体と頭の準備が整理されていることで、打席での迷いがなくなっている。

 4連勝で貯金は96年以来の最多20。2位巨人に今季最大の11ゲーム差となった。これで前半戦を2桁10ゲーム差をつけて折り返すことが確定した。だが、緒方監督は「そういう情報はいらない。我々は目の前の1戦1戦を戦っていくしかない」と気にしない。独走態勢に入り、自分たちとの闘いは続く。今日13日は既にチケットが全席完売の黒田の登板日。前半戦最後の試合で日米通算200勝達成へ-。舞台は整った。【前原淳】

 ▼広島は4連勝で貯金を20の大台に乗せた。広島の最多貯金は80年の33で、貯金20以上は96年以来、20年ぶりになる。これで2位巨人とは11ゲーム差に開き、2位に2桁ゲーム差で前半戦を終了することが決定。2位に10ゲーム差以上つけた首位ターンは03年阪神以来、13年ぶり。これまで広島は80年の7・5ゲームが最大差で、2桁ゲーム差をつけて前半戦を終了するのは初めてだ。過去に2桁ゲーム差の首位ターンはセ・リーグで4度、パ・リーグで4度あるが、すべて優勝しており、広島がV率100%で後半戦を迎える。