DeNAが球団史上初のクライマックスシリーズ(CS)進出へ「ギア」を上げた。ラミレス監督は、5点差の8回に三上、4点差の9回に山崎康を迷うことなくマウンドに送り出した。ホールドもセーブの付かない点差だったが「残り50試合。勝てる試合は勝ちパターンでいきたい。勝ちをしっかりと取りにいった」。ロード6連戦の初戦で5位中日から手堅く勝利を収めた。

 12球団で唯一、CS進出の経験がない。残り50試合を切った時点での順位は、CSが始まった07年から9年連続でBクラス。今季は、この日の勝利で2位巨人に1ゲーム差の3位につける。ラミレス監督は「多くの監督は上にいるチームを気にする。自分の場合は下位のチームとどう戦うかに重きを置く。当然、優勝を狙っている。ただ優勝ができなければ次は2位で終えることが大事になる」と下位チームとの戦いに目を向ける。

 思惑通り4位ヤクルトが敗れ、ゲーム差が4・5に広がり、5位中日も引き離した。試合前のミーティングで、指揮官自らが「目の前の試合を全力で取りにいこう」と士気を高めた。下位チームとの“直接対決”に勝ち続けることが上位進出の現実路線だ。【為田聡史】

 ◆DeNAのCS圏内 12球団でDeNAだけがCSに出場していない。CSが始まった07年以降、DeNAは07年に残り53試合、13年に残り52試合まで3位に粘ったが、今季は残り49試合。残り50試合以下で3位以上は初めてになる。