「ラミチャンス打線」が息を吹き返した。DeNAが約1カ月ぶりの2ケタ11得点を量産する快勝で連敗を4で止めた。1回に巨人先発の内海を攻め立て、単打8本で6点を先制。相手打線の少々の反撃はものともせず、追加点で封じ込めた。カード初戦の白星も7月29日以来、約1カ月ぶり。球団史上初のクライマックスシリーズ(CS)進出へ真っ向勝負で突き進む。

 乾いた打球音が小気味よく連なった。1回2死一、二塁。宮崎の適時打を皮切りに6連続適時打で一挙6点を先制。この回だけで単打8本を集めて主導権をわしづかみした。試合後の会見でラミレス監督は、開口一番で「久しぶり!」と笑みを振りまくと「序盤の6点が全て。打線のつながりは久しぶりだった。全員が積極的にいい打撃をしてくれた」とたたえた。

 未知の世界への扉をこじ開けようとしている。12球団で唯一、CS進出経験を持たない。ある年は早々に脱落したかと思えば、昨季は終盤になって絵に描いたような失速劇で沈んだ。今季は7月12日からAクラス3位をキープ。一時は安全圏まで広げた下位とのゲーム差は、直近の10試合の黒星が先行し、4位阪神と0・5ゲーム差まで迫られた。試合前の全体ミーティング。指揮官は「我々はAクラスにいる。ここまでいい戦いをしてきたからだ」と奮起を促した。

 現実的な目標にシフトしたことも勝利につながった。可能性がある限り頂点を目指すことを大前提としながらも「現実的な数字を見て、目標をCS進出に置いていかないといけない」。日々変化する状況の中で明確な目標を設定し、ここまでも戦ってきた。30打席連続無安打だったロペスを5番から3番にシフトし、ここ2戦は7安打と復活。敗北の歴史を変えるためには「選手を信頼し、信じ抜くこと」と断言する。

 日本一になった98年。単打を量産するマシンガン打線で勝ち上がった。この日、リーグ本塁打トップを走る筒香に本塁打も長打もなかった。一方で打線が束となり16安打を放ち、うち13本が単打で勝利を引き寄せた。阪神とのゲーム差も1・5ゲーム差に拡大。「いいネーミングだね」とラミレス監督もお気に入りの“ラミチャンス打線”でCS進出を勝ち取る。【為田聡史】