これは本物や! オリックスのドラフト1位ルーキー吉田正尚外野手(23)が特大の決勝アーチだ。6回無死でロッテ・スタンリッジの内角カットボールを振り切った。10メートル以上の強い逆風も関係なく、右翼席中段へ推定125メートルの4号ソロが飛び込んだ。連続試合安打も8に伸ばした。

 「完璧です。逆風だったけどよく伸びた。あれが決勝になるんですか? 若月じゃないんですか?」。初々しく、れっきとした決勝点を振り返った。

 ここ3戦3発。27日楽天戦では球団新人47年ぶりの2打席連発を放っていた。18日の日本ハム戦でプロ1号。そこから2週間足らずでボグセビック、ブランコの助っ人2人(3本)を上回った。3番に入った4試合で16打数9安打、3本塁打と暴れまくっている。

 28日の楽天戦ではチームが19安打で大勝。吉田正も1安打したが、試合後は浮かない顔をしていた。「ちょっと調子が良くなかったんで」。新人らしく謙虚に反省しながら前に進んでいる。最下位の中で、来季へ希望の光だ。【大池和幸】