初CSへ、4番が完全復活のダメ押し弾だ。3位DeNAが4位ヤクルトとの直接対決を2連勝で勝ち越し、ゲーム差を4に広げた。3点リードの6回に、筒香嘉智外野手(24)が4試合ぶりとなる39号ソロでとどめを刺した。2戦連続2ケタ安打と好調のラミチャンス打線を、象徴する1発となった。

 筒香にはやっぱり、ホームランがよく似合う。3点リードの6回2死走者なし。2ストライク1ボールから低め148キロを高々とすくい上げた。滞空時間の長い打球は左中間スタンドへ吸い込まれた。「風もありましたけど、うまく打てたかなと思います」。ヤクルト平井の全球直球勝負を、軽々と逆方向へ運んだ。

 復帰2戦目で完全復活を印象づけた。3日の阪神戦で右足甲に自打球を受け、4日の同戦は欠場。「もう足は問題ないです」と志願して前夜から戦列に戻った。2ゲーム差で迎えた、4位ヤクルトとの本拠地3連戦。「僕の中では、どの試合が大事っていう感覚はない。143試合、同じ気持ちで入って、終わったら次の日の準備をすることの繰り返し」と平常心を強調したが、直接対決で敗れればゲーム差は一気に縮まる。

 球団史上初のCS進出、同時に自身初の本塁打王も引き寄せた。初回には、前夜に史上初の2年連続トリプルスリーを確実にしたヤクルト山田が先制の35号2ランを放った。「まだまだ思い通りの打撃にはほど遠い」と言いながら、3本差に迫ったライバルをすぐさま突き放し、両リーグ最速の40号に王手をかけた。

 筒香が4番に戻り、ラミチャンス打線は2試合連続2ケタ安打と息を吹き返した。3戦連続完投中だったヤクルト小川に2回までに50球を投げさせ、序盤で攻略。「今日は僕が打つ前にチームが点を取っていた」とは言え、チームをさらに勢いづけた。ラミレス監督も「素晴らしかった。ゴー(筒香)にホームランが出たことは、今後いい結果につながる」とご満悦。主砲の1発で締めくくられた直接対決2連勝。大きな大きな勝ち越しとなった。【鎌田良美】