全力で初の首位打者に挑む。楽天柿沢貴裕内野手(22)が15日、イースタン・リーグ巨人戦で3打数1安打。0-1で敗れたが、打率2割9分3厘9毛で打率リーグ1位を守った。

 打撃内容に好調さが現れていた。2回無死走者なし。巨人の快速左腕・中川の直球をとらえ、二遊間を破った。「左投手が少しずつ苦じゃなくなってきている。しっかりととらえられている」と持ち前のミート力に磨きがかかった。150キロに近い直球でも体に近いポイントでとらえ、中堅から左翼方向へと流し打つ。

 背番号とともに心が変わった。7月31日に育成契約から支配下登録へと復帰。背番号は「94」となった。「1軍の試合にも出られるようになったというのは大きなモチベーション。頑張れば上に行ける」と練習に取り組む目の色が変わった。今季は平石監督のもと練習中の気迫や1球への執着心を口酸っぱく言われ続けてきた。平石監督は「良いものを持っているのは分かっているし、真面目に取り組んでいる。だからこそ、満足しないようにしてほしい」とハッパをかけ続ける。

 柿沢も「今年は2軍で戦い抜きたい。それで打率を3割にしっかり乗せて、首位打者が取れたら」と気を引き締める。残り試合はあとわずか。タイトル獲得で来季の開幕1軍入りへ弾みをつける。【島根純】