日本ハム武田勝投手(38)が、現役最後のマウンドに立った。

 先発前のキャッチボールの時点で、大粒の涙を流していた左腕。マウンドに立ち、投球練習の間は、中堅手陽岱鋼らがキャッチボールの手を止めて見守った。バックネット裏からは宮西、有原ら出場選手登録を抹消されたメンバーが声援を送った。

 1番清田に2球続けて直球ストライク。追い込むとど真ん中への直球127キロで空振り三振で、現役ラスト登板を締めた。マウンドに集まってきた中田らと抱き合い、ベンチに下がった。「直球だけと決めていた。(プロ生活)11年分が出たと思う」と万感の思いに満ちていた。

 試合後の引退セレモニーでは「まず、泣いてしまいそうなので手紙を読みます」と切り出し、観衆は笑顔に包まれた。「ここにいる素晴らしい後輩たち、鎌ケ谷で頑張っている後輩たちが、より強いファイターズにしてくれると願っています」と思いを託した。最後は「オレのために日本一になれ!」と叫び、笑顔で現役生活を締めくくった。