DeNAは5日、CS前に組んだ社会人強豪チームとの4試合を予定通り終えた。レギュラー陣に12打席前後、控えにも8打席前後を与えて実戦感覚をキープ。4番筒香は打席内での見極めに徹し、この日の東芝戦でも2四球を選んだ。投手陣も総じて順調で、藤岡の好投がブルペンの収穫になった。ラミレス監督は「全体的に良かった。いいピッチャー、いいバッターを相手に真剣勝負をやらせていただいた。いい状態を保っている」と感触を得た。

 実にしたたかに調整を進めた。ビジター戦の時間運びを意識し、横浜スタジアムの試合にもかかわらず練習は社会人チームの後から。ゲームも先攻めの徹底ぶりだった。小差の試合をイメージするラミレス監督は「バントも何度か成功できた」と納得したが、何より際立ったのは選手たちの集中力だった。

 5点を追う5回、ロペスの3ランなどで1点差とした。起点は先頭倉本の内野安打。シーズン中と変わらぬ全力疾走でもぎ取った。ラミレス監督が掲げたスローガン「凡事徹底」が浸透した証しで、当たり前の100%の積み重ねこそ大きな試合では武器となる。練習後は決起集会で結束を高めた。裏打ちなくしてジャイアントキリングは起こせない。ラミレスDeNAはよく分かっている。【宮下敬至】