シュン厳禁! 阪神金本知憲監督(48)が11日、高山俊外野手(23)に“エラーしてもシュンとするな”指令を出した。甲子園での秋季練習で、来季のノルマとして主軸での20本塁打、80打点、打率3割を課した。実現条件は肉体強化とメンタル強化。1年目の今季は試合でのミスが尾を引いて打撃にも影響したと指摘。弱さを克服すれば、来季は4番もあるぞと期待を込めた。

 フリー打撃の鋭い打球が、バックスクリーンに2球連続で突き刺さった。この秋も力強さを増す高山を頼もしげに見つめ、金本監督が来季ノルマを明かした。

 金本監督 中軸を打ってほしいね。甲子園は広いから左打者は(浜風で)難しいけど、20本は打って欲しいし、打率は3割、打点も80ぐらいは挙げて欲しい。

 求める数字は今季の8本塁打、65打点、打率2割7分5厘からの大幅アップ。新人王確実の黄金ルーキーに、主軸の期待を込めた。実現のためには今オフ「スイングする力をつける」ことは必須条件。加えてもう1つ、珍指令を出した。

 金本監督 今年はミスした時の成績が悪かったから。シュンとして。平田チーフがよく言ってた。「俊(しゅん)、シュンとするな!」って。周りは笑ってなかったけど(笑い)。

 名前の「俊」にひっかけて叱咤(しった)する平田コーチ語録を引き合いに、メンタルの弱さを指摘した。敗因となる外野での後逸など6失策したが、その6試合は23打数4安打で打率1割7分4厘。失敗のダメージが影響して打撃でも挽回できず、チームも1勝5敗と黒星を重ねた。監督はそこを改善しないと、レギュラーとして成績は残せないと力を込めた。

 金本監督 チームに、投手に申し訳ない気持ちは誰もが持ってる。でも落ち込んでも取り返せない。エラーした時ほど打って欲しい。エラーしたらやたら打つとかメンタル的に強くね。

 シュンとするのではなくシャンとして結果を出せ。悔いる暇があればバットで返せ。体と一緒にハートもずぶとく強化すれば、来季は4番もあると期待した。

 金本監督 俺も4番を打ったけど、プロに入った時は1軍で出れるとも思われてなかった。左で足は速かったから、せいぜい1、2番のレベル。でも体を作って4番を打つようになった。だから高山も今は1番、3番とか言ってるけど分からんよ。スイングを工夫して、ぼこぼこホームランを打てるようになったらね。

 天高く、高山肥ゆる秋の甲子園。夢の4番誕生へ、もう平田コーチの餌食にはならない。【松井清員】