“ハマのプリンス”を襲名だ。プロ野球DeNAからドラフト2位で指名された東海大北海道の水野滉也投手(22=札幌日大)が10月31日、札幌市内の同校で吉田孝司スカウト部長兼ゼネラルマネジャー補佐らから指名あいさつを受けた。端正な顔立ちに、吉田部長は「イケメン。いい男。先発として期待している」と大絶賛。右横手からの快速球に加え、球団幹部お墨付きのビジュアルで、ハマっ子たちのハートを射止める。

 大きな目に、すっと通った鼻筋は“プリンス”の称号にふさわしい。気恥ずかしくなるほどの絶賛に、東海大北海道のエース水野の顔が、みるみる赤く染まっていった。「今風に言うとイケメン。今日、初めて近くで見て握手したけど、いい男なんでびっくりした。野球をしっかりやってもらったら、素晴らしい選手になる。人気出るよ」。DeNA吉田スカウト部長から送られた大賛辞に、期待の右腕は「ありがたいです…」と、照れた。

 6月の全日本大学選手権。右横手からの快速球と、気迫あふれる投げっぷりでDeNAスカウト陣の視線を奪った。「我々の欲しかった、力強いサイド投手が出てきたなと」。現役時代に巨人黄金期を陰ながら支えた捕手の審美眼は、技術だけでなく、そのビジュアルにも向けられた。「エネルギッシュで歯切れが良い。気迫は故・小林繁(巨人、阪神)のよう」。同じく細身の変則右腕で、引退後に俳優としても活動した、二枚目の沢村賞投手の姿に重ねた。

 近年、ドラフト上位選手の活躍著しいDeNA。現段階では、先発要員としての評価を受ける。「(地元球団の)日本ハムの活躍を見て、自分もあんな風に日本一を狙いたいと思った」と水野。大学生活最後の大会となる明治神宮大会(11日開幕、東京・神宮)を控え「恥ずかしい投球は出来ない」とプロ入りの自覚も出てきた。「1年目からローテーション入りして勝利に貢献したい」。“ハマのプリンス”が狙うのは、もちろん大スターの座だ。【中島宙恵】

 ◆水野滉也(みずの・こうや)1994年(平6)6月1日、札幌市生まれ。札幌月寒東小2年から野球を始め、札幌月寒中では豊平東シニア所属。札幌日大高を経て東海大北海道。リーグ戦は今春5勝無敗で防御率0・21、今秋も5勝無敗で防御率1・13で2季連続最高殊勲選手賞。家族は両親と兄。175センチ、74キロ。右投げ右打ち。